『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を生み出した米国A24と、『パラサイト 半地下の家族』を配給した韓国CJ ENMが初の共同製作で贈る注目作『パスト ライブス/再会』より、本編映像と共に監督・役者陣が演出や役作り等を振り返る特別映像が到着した。
ソウルで初めて恋に落ちた幼なじみのふたりが、24年後の36歳、NYで再会する7日間を描くラブストーリー。今回解禁となった映像は撮影を振り返る監督・キャスト陣のトークと共に、付随する本作を彩るシーンの数々が映し出されるため、役作りの背景と一緒に本編映像を確認できる内容となっている。
本作は主人公ノラとその夫・アーサーの関係、さらにノラと幼馴染で初恋同士の相手であるヘソンの関係、さらに、夫と初恋の相手との関係を描いている。ノラを演じた主演のグレタ・リーは、それぞれの関係の本質は全く違うものだとして、「その感覚を掴むには枠にとらわれない考え方が必要だった」と振り返る。それを実際に体現してみせたのは、本作の最も重要なシーンのひとつとも言えるノラとヘソンのニューヨークでの24年ぶりの再会シーン。なんと撮影まで二人は顔を合わせないという手法をとったそうで、その理由としてグレタ・リーは、二人が会う「その瞬間がどんなものかしっかり捉えたかったから」であると語っていた。
■『パスト ライブス/再会』特別映像
また、本作でメガホンをとったセリーヌ・ソン監督は本映像で、ノラの初恋の相手ヘソンとノラの夫・アーサーが初めて出会う特別なシーンも、実際に二人が初めて会う瞬間だったこと、さらにそのファーストテイクがとても上手くいったため本編に採用されていることを明かしている。アーサーを演じたジョン・マガロもこの時のことを「実験的な手法を使った」と語っており、「ヘア・セットやメイクの時もお互いを避けていました。私たちは一度も会わなかったし、話をすることもなかったんです。台本を読み返す時も、ノラとヘソンのシーンは読まないようにしました」と徹底的にこだわり抜き挑戦的な撮影であったことを明かした。
ソン監督は、「彼らが決して遭遇しないようにしたスタッフの功績は大きいですね。制作進行的には少し負担がかかることでしたが、私はその効果を心から信じていたんです」と撮影を振り返った。さらに監督は、本作を“20年以上に渡り2つの大陸をまたがるラブストーリー”と位置付け、12歳のソウルと36歳のニューヨーク「2つの世界が重なりあう様子を見ることができたのがとても印象的」と、自身が演出した3人の織りなす世界感に自信をのぞかせていた。
4月5日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開